1009 私はゴースト

幽霊の追体験ができるということで、「私はゴースト」という映画を見た。
ほとんどの生きた人間が霊を見ることができないように、霊も生きた人間を視認できないという設定が、不思議な説得力があってとても怖かった。
以前、恒川光太郎の雷の季節の終わりにという小説で、生身の人間と霊体では存在するレイヤーが違っていて、同じ場所にいるはずの生身の人間は霊体を認識できないみたいなことが書いてあった気がしたんだけど、それを思い出した。

この映画はストレートに見た方がいいんだと思うんだけど、主人公のエミリーは多重人格の一人格に過ぎなくて、出られない屋敷は心の中なのではと思った。もう一人のエミリーを殺す人格を閉じ込めたのは誰なのか?エミリーよりも強いのに、エミリーが閉じ込めておけるんだろうか?屋敷を出ると真っ暗というのも少し引っ掛かった。一つの人格に自分は幽霊であることを自覚させて人格を消滅させる精神療法だったみたいなのもおもしろいかもとも思ったりした。

でも、死んだら光に包まれるとか、そういうことを人は想像しがちだし、死んだ両親や恋人とやっと会えるとか、私自身もそうなると思ってたけど。
暗闇に飲み込まれて、無になると思ったら、ものすごく怖いなと思った。
面白かった。死ぬの怖くなるね。

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